1.価格設定を慎重にするべき理由
価格は一度決定してお客さんに定着してしまうと、上げづらく下げやすいものになってしまいます。
値上げとは、すなわち、普段から利用してくれているお客さんからすれば損失になってしまうので、値上げにはとても敏感なのです。明確な理由がなければ、店の利益だけを追求していると思われて信頼を失ってしまう可能性があることを念頭に置いておきましょう。
その他、価格だけに重きを置いてしまうことも良くありません。
他店よりも安くすることだけを考えてしまうと、価格競争になってしまい、薄利多売の構造になってしまいます。そうすると、他店との価格競争によって売上高が低下し、消耗してしまうことになりかねないのです。
2.コンセプトとターゲット
価格競争に持ち込み、他店よりも安いことを売りにして獲得するのか?それとも質を重視し、そのクオリティのサービスにはこれくらい払ってでも欲しいと思わせるものを高い価格で売るのか?
コンセプトとターゲットによって、やはり価格戦略は変えていかなければなりません。
例えば、隙間時間を縫って、毎回どこに出しても恥ずかしくない質で、いつもと変わらない髪型に、できるだけ安価に切ってもらいたい忙しい40代後半の会社員をターゲットにしているなら、彼らは高い付加価値を求めるよりも、低価格や安定した質、あまり喋りかけてこない静かで淡々とした店を選択するでしょう。
しかし、流行に敏感な30代女性であれば、理想のための自分に近くために高い金額を支払うかもしれません。
価格設定は、売上高に直結する要件なので、事業計画書を練る際に考えたように、どれだけの顧客をどれくらいの回転率で見込んでいて、どれくらいの価格設定であれば充分な売上高を獲得することができるのかを考えなければなりません。
3.価格設定のコツ
他店と自分の店では何が違うのかを考え、お客さんにより付加価値を与えられるものには自信を持って高い値段をつけましょう。
実は、これだけのお金を支払っているのだからそれだけ価値のあるものに違いない、と感じる心理があるのです。
反対に安すぎる価格は、それだけの価値しかない、と思われてしまう要因にもなります。
また、松竹梅と3段階の価格設定にすると2番目に高いメニューが選ばれやすいという心理もあります。
ですので、もしメニューに段階をつけて提示できるものがあれば、是非3段階にして訴求してみましょう。
また価格構造の話になりますが、昨今ではサブスクリプション制度を導入する店舗もあるようです。
定額料金で通い放題という制度です。こうすることで、単純接触効果を得られ、通えば通うほどその店に親近感を覚えるようになり、定着してくれるお客さんが増えるきっかけになり、他のメニューに興味を持ってくれるお客さんも増えるでしょう。
他店からのお客さんを奪取し、囲い込むことにも繋がります。
以上のことを意識してみてくださいね。
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